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時空人(号外) Vol.15

TEMBEA PolePole
~のんびり歩こうよ~

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2020年5月1日(金)
編集長・担当:菅原景一

1.はじめに

オンラインではあるけれど、授業が始まって1週間ですね。今期に受講する講義は一回ずつは受けたことになりますが、いかがでしょう?普段なら皆さんからすれば先生の顔が見えて、我々からすれば皆さんの顔が見えて、良い意味でも悪い意味でもお互いこういう感じか・・・となって、この授業を受けようか、他の授業にしようかと、一方、教員側は授業の空気をどうしようかと考えるのですが・・・。オンラインというのは一見必要な情報は伝わっているように思えるのですが、実は一番大切な『空気感』というか『温度』というか、そこにいるからこそ伝わる空気の振動のようなものが伝わっていない感じがして、私個人としては何とも表現し難い難しさを感じています。皆さんはいかがでしょうか?

2.今日の一冊 『「なぜかハッピーな人」が脳のためにしていること』
「脳にいいこと」だけをやりなさい!』(マーシー・シャイモフ著 茂木健一郎訳 三笠書房 2008年)

~ 本から抜粋~


山頂で朝を迎えたとき、満点の星空を見上げたときなど、この世は奇跡でできていると思える瞬間があるでしょう。誰でも一度くらいは、人生に強い畏敬の念を持ったことがあるはずです。自分がちっぽけに感じられると同時に、「ああ、生きていてよかった」と心から思う瞬間です。

とにかく何か「人知を超えた大きな力」とつながっているという状態を経験したことがありますか。そのつながりが深ければ深いほど、人生は豊で喜びに満ちたものになります。喜びと敬服の念を感じながら生きることで、脳はどんどん元気になります。

多くの成功者は、世の中のすべてを理解できなくても、人生の全部を思い通りにできなくても、それはそれでかまわないと思っています。大きな愛と英知の存在を信じていて、流れに身を任せて生きています。

調査によっても、精神的なものに興味をもって暮らしている人(これは特定の宗教組織に入っている人という意味ではなく、生活の中に精神性を見いだしている人)は、そうでない人より満たされた人生を送っているといわれています。状況に対する適応能力がより優れていて、学生なら、より成績がよく、飲酒やタバコに手を出す割合が少ないといわれています。精神に目を向けることは脳や身体全体にとっても良いことで、血流をうながしたり、免疫力を高めたり、脳卒中やガンや心臓病を予防したりするという研究報告もあります。

瞑想は大いなる力とつながるための大切な時間です。幸せを感じるためには瞑想が一番効果的なようです。

自分の中の奥深い部分を癒す「二分間」

毎日一定の時間、座って瞑想をするのはとてもよいことですが、瞑想のやり方はそれだけではありません。「幸せの国の百人」の一人、チベット仏教僧であるアナン・サブテン・リンポチェが、いつでもどこでもできる瞑想法を教えてくれました。

それは1日七回ただ立ち止まって”今”を感じるという方法で、私は「ポーズ・プラクティス」と呼んでいます。

この方法は極めて簡単で、ただ自分の呼吸を意識しながら”今”―幸せを感じられる唯一の時間―に集中するだけ。これを習慣にすると、よりバランスのとれたものの見方ができるようになり、穏やかな気持ちや新鮮なエネルギーを感じられるようになります。

また、自然と触れ合って心の落ち着きを得るだけでも瞑想になります。
外へ出られないときでも、窓から木々や雲を二、三分眺めれば、身体の緊張がほぐれ、自分の中の深い部分が落ち着きを取り戻します。

可能であれば1日にほんの二十分ほど、静かな場所を見つけて次の瞑想法を試してみてください。

  1. 静かな場所に座って眼を閉じます。
  2. 五、六回深呼吸しよう。吸ったり吐いたりする息を意識しながら行います。
  3. 頭上から白く明るい光の円柱が下りてきて、頭を光で満たしているとイメージしてください。
  4. 白い光は頭から首へ、そして胸へと下りていきます。心臓が広がり温かくなっていくのを感じてください。
  5. 光は腕、胴、背骨、腰へと下りていき、両脚を通ってつま先に至るとイメージしてください。
  6. 身体全体が温かく明るい光に満たされるのを感じましょう。そのまま十分間、考えや感情に身を委ねてください。思考をコントロールしようとせず、頭に浮かんでくるものをそのまま受け入れます。集中したいときは、呼吸を意識するとよいでしょう。
  7. 心の穏やかさと静けさを感じ、しばらくその気持ちに浸ってください。二、三回深呼吸してその気持ちを味わいます。それが理由のない幸福感のエッセンスです。
  8. ゆっくり目を開けてください。穏やかな気持ちを持ち続けたまま普段の生活に戻りましょう。

んー、今日はちょっと難しい精神世界の話になってしまいましたね。表現がちょっと硬い感じはしますが、そんなに難しいことではないと思います。自分の心の中とよく向き合いなさい。周囲の動きや外見的な動向に影響されることなく、自然の力の偉大さを受け入れてその流れに身を任せることで満たされた人生を送ることができる。そして、幸せを感じるためには瞑想がいいということ。さらに、瞑想は、形式にこだわることなく、ちょっと立ち止まって”今”に集中することだということですね。

私は座って時間を取って瞑想をするというということはありませんが、自然の中で一人自分と向き合うことはよくあります。信じるかどうかは皆さん次第ですが、本当にそうやって林の木々を眺めたり、空に輝く星を眺めたりして、じーっと考えるような、考えないような時間を過ごしていると、日々のいろいろな出来事がスーッと自分の中に取り込まれていくような感じがするんですよね。『嫌なこと』は、植木鉢の底から流れ出る水のように流れていき、『うれしいこと』、『楽しいこと』は自分の心の栄養となるかのように吸収されていく。瞑想している時の感覚はこんな感覚に近いのかなと思います。

この本の方法を実践するかどうかは別にして、外出自粛が続いていてなんとなく悶々とした日々を過ごしていると思います。そんな時は、心を落ち着ける意味でも一日に一度でも良いので立ち止まって“今”の自分を冷静に感じる時間をもってみては良いのではないでしょうか?(健康にも、成績にもよい影響があるみたいですしね。)

編集後記

明日からはゴールデンステイホームウィークに? すでに入っているのか・・・? やっと始まった講義がまた休みになってしまいますね。例年だと1年生は一緒に授業を受けるグループができ始めて「実家へ帰る?」、「いやバイト」、「俺部活」という会話になる時期ですが、落ち着かないですよね。そんな時は、本日紹介した文章のように、目を閉じて、今感じている不安や苛立ち、喜びすべてを受け入れてみてください。自分がなぜ不安なのか?何故苛立っているのか?その理由がはっきりすると意外と気持ちが落ち着くものです(私だけ?)。試しにやってみてください。落ち着かなかったらごめんなさい。

外はポカポカ陽気で、遊びに行きたいですよね。そんな時は“散歩”散歩も心身の健康を保つのには良いそうです。理論物理学者のリサ・ランドールさんは、徒歩通勤の道すがら、小川のそばを歩いているときに5次元空間のアイディアを思いついたそうです。皆さんも何か思いつくかもしれませんよ。

ということで、積極的に外に出なさいとは言えないのですが、3密にならないよう配慮して程々に外に出て体を動かしてうまく心身のバランスをとりながら過ごしてください。

 
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