TEMBEA PolePole
~のんびり歩こうよ~
Vol.19 < Vol.20 > Vol.21
2020年5月15日(金)
編集長・担当:菅原景一
1.はじめに
対面授業の開始が更に延期になってしまいましたね・・・。公式発表が先か本通信の発行が先か、微妙なタイミングですがいずれにしても、対面授業の開始は早くとも7月2日以降に延期されることになりました。大丈夫ですか?先生方の情報によると必修科目の授業へ一度もアクセスしていない人もいるようです。まだ先のことはわかりませんが、この流れが続くと定期試験までずーっとオンライン授業になる可能性も少なくありません。大学に来て、時間割の流れに従って教室を移動しで授業を受ける対面での授業と違って、オンライン授業は自分の意志で授業に参加する必要があります。また、後でも見られるからと苦手な科目や難しい科目の受講を後回しにしていると、未受講の授業がどんどん溜まっていって受講しようと思った時には時間が足りないとか、溜まりすぎて気持ちが萎えてしまうということにもなりかねません。ですから、オンデマンド授業であったとしても時間割の時間で受講して、授業も課題も溜めずにすすめていくようにしましょう。
2.今日の一冊『どうして山に登るのですか?』
『山が大好きになる練習帖』(KIKI 著 有限会社雷鳥社 2013年)
本当はこの本のこの文章をここでは紹介したくないんです。自分で始めから最後まで読んで感じて欲しいと思う内容なので・・・。この本は70のQ&Aで構成さている本でその中のQ1とQ70をお借りしました。
~ 本から抜粋~
Q1 どうして山に登るのですか?
A そこに山があるから、わたしは山へ登るのです。
山は季節を追うように変わっていきます。水を滴らせ、土は蠢き、莟を膨らませ、大地を轟かせ、森を輝かせ、苔を湿らせ、日射しを受け、紅を装い、粉雪をまとい、そしていつしか静けさの中に閉じこもります。
いっときとしておなじ様相のときはありません。麗しいときもあれば、優しいとき、賑やかなとき、厳しいとき、沈黙のとき。けれど、会いに行けば、かならず山はそこにいてくれます。とはいえ、いつでも求めているわけではないのです。機嫌が悪いのなら、また出直してもいいのです。時が来たら、また会いに行けばいいのだから。
麓の町ではいつも無理ばかりして暮らしていたけれど、そうして山の懐に抱かれていると、いつしか気持ちがゆるみ、こころが解放され、より素直になるのです。自由って、こういうことなのかもしれない。
この頃、あまり山へ行かなくてもいいかな。と思うのは、山みたいな人を好きになったからでしょうか。それとも、好きな人のことならいくらでも想えるように、麓にいながら、こころに山を描けるようになったからでしょうか。
この後、Q&Aが続いて
Q70 どうして山に登るのですか?
って質問が最後にもう一度出てくるんです。
そして、それに対するA(答え)をここに書こうと思ったんですが、やっぱり書けません。ごめんなさい。買うか、借りるかして読んでください。とても素敵な答えが書いてありました。『あー、山に行きたいなー』 ってしみじみ思ってしまう答えがね。
さらに言うと、この答えは、山に対してだけではない気がします。学校でも、お店でも、お家でも同じことじゃないかと思います。私はお気に入りのビストロがあるんですが、仕事の飲み会だったり、友達に誘われて参加した飲み会だったりで飲みに行った後でも、ちょこっと行ってみっかなーって思うのもそういうことなんだと思うんです。行きつけの床屋さんに行くのも同じだな。この床屋さんは、私の同級生がやっているんですが、もちろん髪が伸びたから切りに行くんですけど、行くのに車で30分以上かかるんです。髪を切るだけなら、歩いて1分のところにも床屋はあるんです。でも、わざわざそこへ行くのってQ70の答えと同じ理由なんだな。
んで、私もそういう一人になりたいなーっても思います。みなさんが卒業した後、母校に行ってみようかなーって思う理由の一つに私もいたら嬉しいですね。あるいは、山に行くときや遊びに行くとき、その理由の一つにもなれたら嬉しいですね。
ぜひ、皆さん一人一人がそんな一人になってほしいと思います。
なんだか、Q70のAを書かずして、どんな事が書いてあるのか想像できるようなことを書いてしまっている気もしますが、KIKIさんの表現はもっとやわらかくて素敵です。そうはいっても、一番大事な部分を書かずに書いているので、読んでいる皆さんはものすごくモヤモヤした感じだと思います。それが私の作戦です(笑)。是非、この本読んでください。ものすごく山に行きたくなるんです。そして、なぜかココロがほぐれる感じがするんです。これも著者の人柄なのか、山が好きな人の特徴なのか、癒されますよ。
そんな著者のKIKIさんは、東京都出身のモデル/女優さんですが、武蔵野美術大学造形学部建築学科の出身なんですね。土木と近いようで遠いような建築ですが、土木を学んでいる皆さんには共感できる部分があるでしょうか?山好きは学んでいる学問には関係なく共感できますね。
編集後記
さて、・・・と書いて、自分が編集後記を書くときに“さて”と書き始めることが多いことに気が付きました。まあ、どうでもいいことですかね?言葉の使い方には癖があるんですよね。論文を書いていてもそうなんです。いつも同じような言いまわしばかりが出てきて自分で読んでいてチープだなとがっかりすることも屡々。だからというわけではないけれど、他の人が書いたものをなるべくたくさん読むようにしています。
そこで、今回の本の紹介文約5年前に書いたものなんですが、本はいつも研究室の本棚にあるんです。時々背表紙は目に入っていたものの中味を開いては見ないんです。それが、ここ(時空人 号外)で紹介する順番が回ってきて、「あ、こんなことを書いていた」とオリジナルの紹介文を書いた時のことを思い出し、本の中身を思い出し・・・少し開いてみる。何が言いたいのかというと、簡単にでもなにか形に残るように記録を残しておくものだということ。私は結構?かなり?適当な性格なので(皆さんには色々と迷惑をかけているので既にご存じだとは思いますが)こまめに記録を残すということが苦手なんです。でも、こうして残しておくと後で役に立つんですね。授業でも、読書でも、映画でも、簡単にでも記録に残しておくことって大事ですね。今思いついたのは、菊池先生が紹介してくださる映画の“100文字あらすじ”のような感じにできたらいいですよね。
と、大分長くなってしまいましたが、緊急事態宣言は一応解除になりました。3密を避けるお出かけ先として“山”(山小屋はだめです密密ですから)近所の日帰り登山か、単独のテント泊に出かけてみるのも良いのではないでしょうか?
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