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時空人(号外) Vol.19

TEMBEA PolePole
~のんびり歩こうよ~

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2020年5月12日(火)
編集長・担当:菅原景一

1.はじめに

さて、前回はパソコンのキータッチについての山田先生からコメントをいただきました。先週から個人面談を進めていますが結構パソコンの操作や課題の提出に苦労している学生さんがいることが分かってきました。自分だけできないのだろうか・・・?と悶々としていないで、操作の仕方が良くわからない、課題が提出できない・・・といった問題に直面したら、まずは自分で何とかしてみようという努力は大切ですが、どうしてもうまくいかないときは、担当の先生に連絡、相談をしてみてください。パソコン操作を習得するための課題ではないのですから、不慣れなために操作に1時間以上も費やすというのは出題の趣旨とは違いますからね。それから、リアルタイムで行われている授業も後からstreamで見直すことができるので、一度で十分理解できなかったときには、再度見てみるのも良いと思います。

2.今日の一冊『できるかどうかは気にしない。やりたいことはなんでもやってみよう。』
空想教室』(植松 努 著 サンクチュアリ出版 2015年)

~ 本から抜粋~


うちには今、6歳になるポメラニアンがいます。めんこいやつです。彼は生まれてすぐにうちにやってきたので、彼が入ったらこまる部屋に小さい柵を設けました。
やがて彼は成長し、行ける部屋が増えました。新たに行ける部屋に、新しい柵をつけました。飛び越えました。柵を高くしました。飛び越えました。犬の成長期に、うっかり忍者の修行のようなことをやってしまいました。

今やうちのポメラニアンは立派に育ちました。通常、ポメラニアンは体重が2,3キロしかないかわいらしい動物なのですが、現在のうちのポメラニアンは5キロを突破しました。巨大なポメラニアンです。しかも足が長く、ジャッキー・チェンのように壁すらも使って、柵を飛び越える能力まで身につけています。

こんな高機能型ポメラニアンにも苦手なものがあります。

それは、一番最初に設けた、一番低い柵です。その柵だけは越えられないんです。楽にまたげるはずの低い10センチ柵の向こう側で、「無理です」という表情でじっとしています。彼は「できない」と思い込んでいるのです。だから本当はできることが、できないのです。

ぼくはこういう学生さんや社会人をいっぱい見てきています。彼らは「できない」と思い込んでいる自分のことを責めて、自分のことを傷つけたりします。もったいないです、かわいそうです。

人が生きていくためには、どうしても自信が必要です。でも自信はお金では買えません。いばっても手に入りません。ひとりきりで守って守れるものでもありません。自信を身につけるには、「やったことがないことをやる」しかないのです。だからこれから先、やるかどうかで迷ったときは「できるか、できないか」ではなく、「やりたいか、やりたくないか」で選んでください。

そうすれば、きっと、ぼくたちはもっと自信をつけて、もっとやさしくなれるはずです。

“やりたいこと”を見つけるためには、感動すればいいのです。

小さいころのように「わー! すごい!」「やってみたい!」と心を震わせることができたら、“やりたいこと”はどんどん見つかります。しかもなぜか、その夢はぼんぼん実現していくのです。不思議ですね。

理由は「感動」という言葉にありました。この言葉に、実はすごい秘密がかくされていたのです。ぼくがその秘密を解き明かしました。

日本語の「感動」はローマ字で書くと、「can do」になることが判明したのです。“君ならできる”という意味ですね。ものすごく前向きで、グローバルな駄洒落が完成してしまいました。人間は歳を取るとなんでも駄洒落に見えてきますから、しょうがないです。

ということで、「感動」は「can do」なので、ぜひいっぱい「感動」してください。

ちなみにこの駄洒落にはネタ元があります。これはアメリカの航空宇宙局NASAの門に、今から80年も前に刻まれた文言です。

Dream can do. Reality can do. –思い描くことができれば、それは現実になる。-


ポメラニアンの話、面白いですよね。『小さいときに飛ぶことができなかった柵はいつまでも飛ぶことができない程に高く見えてしまう。しかし、一度飛べた柵は高くなっても飛ぶことができる。』これって私達にも当てはまることですよね。一度挑戦してうまくいかなかったことに再度挑戦するとき、うまくいかなかったときの記憶が邪魔をして、“またうまくいかないんじゃないか”とか“どうせ無理”とか思って躊躇してしまうことってありますよね。勉強やスポーツ、恋愛でもそうじゃないでしょうか。恐らく、このポメラニアンはこの10センチ柵を一生飛び越える事はできないと思います。しかし、私たち人間は、一度超え損ねた障害に再び挑戦し、それを越える事ができると私は思うんです。人間は自分のココロを意志でコントロールする事ができるからです。やるかやらないか、自分の気持ち一つですよね。大会で乗馬の馬が、障害に失敗したときに必ず同じ障害をクリアできるまで挑戦させるという話を聞いた事があります。それは、馬に失敗をすり込まないためなんだそうですが、馬自身が失敗した障害へ自分の意志で再度挑戦することはないですよね。人間が再挑戦させるんですよ。

失敗した事に気持ちを切り替えて再挑戦できるのって人間の才能なんじゃないかと思うんです。だから、一度うまくいかなかったくらいで“どうせ無理”とか“できるわけ無い”とかネガティブな言葉を言っていないで挑戦してみましょうよ。よく言われる言葉ですが、『本当の失敗とは、“うまくいかなかったこと”、ではなく“なにもしないこと”』ですよ。一回できなかったくらいで何を諦めてんだって思いませんか? 自分では覚えていないかもしれないけど、初めて立ち上がったとき、初めて歩いたとき、何回転びましたか?何回立とうと、歩こうと挑戦しましたか?数え切れないほど転んで、数え切れないほど立ち上がりましたよね。みんな、そういうチャレンジするココロを持っているはずなんです。どこにこの挑戦する気持ちを忘れ、いつから諦め上手になってしまったのかはわかりませんが、その責任の一部は私たち大人、教員にもあると思います。だから、というわけではありませんが、私は皆に『社会の秩序を乱すことでないならば自分の興味に正直に、いろいろな事に積極的に挑戦してほしい。』と思います。そして、それを応援したいと思っています。

編集後記

以前にも書いたんですが、ここで紹介する本の記事の当たり順は私のためにあるのか・・・と思ってしまうほどいい感じに出てきてくれます。最近?最近でもないか・・・いつもいろいろとうまくいかないことがあるんですよ。そういうことに出くわすたびにへこむんですよね。そして、新たな挑戦をするエネルギーを減らしてしまうんですが、だからといって悶々としていても問題は解決しないし楽しくないんですよね。そんな時にこの本の紹介文が巡ってきたんです。ついてますよねー・・・私。
話が逸れてしまいましたが、これまでに誰も経験したことのないヘンテコリンなウィルスの蔓延で皆さんそれぞれに色々な障害に出くわしていることと思います。パソコンの操作だって、そうですよね。初めて触れたパソコンで一回の説明でこれまでの一般的な手法とは違う手法で課題を提出しなさいと言われても・・・となりますよね。しかし、その障害を上記のポメラニアンにとっての最初の障害のように、本当は越えられる力を持っているのに越えられないものにしてしまわないよう一歩一歩前進していきましょう。走っても良いんですけど、疲れるでしょ。ほどほどの疲れで長く続けられるように。歩くのが良いのではないでしょうか。

 
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