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時空人(号外) Vol.6

TEMBEA PolePole
~のんびり歩こうよ~

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2020年4月20日(月)
編集長:菅原景一
執筆担当:菊池 輝
菊池輝 准教授

菊池先生からのメッセージ

(執筆:菊池)

映画をよく観る。

帰宅するとスターチャンネルかWOWOWのどちらかにチャンネルを合わせる。

この原稿を作成している現在も、テレビから映画がただ流れている。

思い返せば、大学受験浪人のときも毎月のように映画館に通っていた。映画批評を地元新聞紙に送り、掲載されると少しばかりの謝礼がもらえる。それをもとにまた映画を観に行った。大学生になって最初のアルバイトはレンタルビデオ店であった。一人暮らしの部屋は映画のポスターだらけであった。

このように、映画は生活の一部であった。

しかし趣味ではない。テレビもYouTubeも面白いとは思わないから、消去法で映画を観ているだけだ。それでも、ここまで本数を観ていると、何か1本は紹介したくなる。さて、何にしようか...5時間ほど考えて以下の作品に絞り込んだ。

ふう、どれも若者には今ひとつかなあ...でも考え直すの面倒くさいので、一番右の作品にしよう。(紹介したいという気持ちと、個人的な評価は必ずしも一致しないので、別の機会にボロクソに言うかもしれません)

SCENT OF A WOMAN(1992年・アメリカ)

(執筆:菊池)

(100字あらすじ)

人生に悲観し生きる意義を見失った絶望感から自決の末路を選択した、孤独な盲目退役軍人のフランク(アル・パチーノ)が、貧しい高校生チャーリーと出会い、年齢や境遇の差を越えて心を通わせていくヒューマンドラマ。


こう書くと、「面倒くさい、ふて腐れた、ネガティブ爺さん」を想像してしまうが、とんでもない!フランクはメチャクチャ格好いいのだ。盲目にもかかわらず、自分でパッキングして飛行機に乗って旅をする、高級レストランで食事をする、美しい女性とタンゴを踊る、おまけにフェラーリを運転する...。

「そんなアクティブな人がなぜ死のうとするの?」

うん、そうだね、いい疑問だね。でもそれは実際に観てからのお楽しみだね。

フランクの役でアカデミー賞主演男優賞を初受賞したアル・パチーノの演技も実にすばらしい。まばたきをしないどころか、まったく瞳を動かさない壮絶な演技。過去6回もノミネートされながら受賞をずっと逃していた彼の授賞式第一声は
You broke my streak.
(僕の連敗が止まったね)

さて、この映画のメインはフランクの演説シーンである。

ある日、高校内でいたずら事件が発生するのだが、チャーリーは犯人を偶然に目撃していた。彼は校長先生から「超一流大学(ハーバード)への推薦者に加えてやるから、いたずらをした犯人の名前を言え。言わないなら退学だ」と取り引きを提案される。犯人の生徒とチャーリーは「普通の友人」に過ぎないのだが、それでも「友を売る」ことに抵抗を感じ黙秘を続けた。結局、公開懲罰委員会が開かれ、全校生徒の前で退学処分が決まろうとしていたときに、フランクがふらっと高校に現れてチャーリーのために熱い大演説をするのだ。その一部を紹介しよう。(え?英語ぢゃ分からんって?でも日本語で書いたらネタバレだし、グーグル大先生がいるぢゃん)

There was a time I could see. And I have seen boys their arms torn out, their legs ripped off. But there is nothing like the sight of an amputated sprit. There is no prosthetic for that. You think you are merely sending him back home to Oregon, but I say you are executing his soul.

I don’t know if Charlie’s silence here today is right or wrong. I’m not a judge or jury. But I can tell you this: he won’t sell anybody out to buy his future. And that is called integrity. That’s called courage. Now that’s the stuff leaders should be made of.

Now I have come to the crossroads in my life. I always knew what the right path was. I knew without exception, but I never took it. You know why? It was too damn hard. Now he’s come to the crossroads. He has chosen a path. It’s the right path. It’s a path made of principle that leads to character. Let him continue on his journey. You hold this boy’s future in your hands. It’s a valuable future. Don’t destroy it. Protect it. Embrace it. It’s gonna make you proud one day.


大人になると、みんな忘れるんですよね、子供のころに嫌いだったオトナ像を。「あんなオトナになんかなりたくねえ!」と思っていたのに、今の自分が「あんなオトナ」に近づいていることを思うたびに「仕方がなかったんだ」と自分に言い聞かせるんです。

私はこの職業が大好きです。「あんなオトナになりたくない」という気持ちを、君たちがいつも思い出させてくれるから。

編集後記

(執筆:菅原)

ここの枠の中を書きながら思うんです。この編集後記必要か?と。なぜなら、編集作業といっても先生方からいただいた原稿をコピーして貼り付けて、フォントと書式を時々いじる程度、逆にせっかくの文章を邪魔していないかと思ったりして、難しいですね。

今回は菊池先生からの渋い映画の紹介でしたね。英語か・・・と思って私もグーグル大先生に教えてもらいました。わかるわかる。段落や文章の切れ目もちゃんと日本語になってる! 技術の進歩はすごいですね。因みに私が学生だった頃の翻訳ソフトは、単語が日本語に置き換わる程度で語順もめちゃくちゃ意味も通らない凄い奴だったことを思い出しました。

それはさておき

「あんなオトナになりたくない」と私も思っていました。し、そうならないように生きてきたつもりですが、「あんなオトナ」に近づいているようなときもしばしばあったなと・・・。そこで「こんなオトナ」になれるようにまた今日から歩みを進めていこうと気持ちを新たにしました。

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