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時空人(号外) Vol.22

TEMBEA PolePole
~のんびり歩こうよ~

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2020年5月22日(金)
編集長・担当:菅原景一

1.はじめに

この“はじめに”に書くネタが一番困りますね。んーって日付と発刊号数が偶然同じだということに気づきました。22日発行の22号です。別にだから何ということではないのですが・・・。せっかく日付に触れたので日付にまつわる話を書こうと思います。現在、世界の多くの国、日本でも暦は西洋暦で、曜日の始まりは日曜日か月曜日ですよね。しかし、そうではない国もあるんですね。タンザニアで話されているスワヒリ語では土曜日を“jumamosi(ジュマモシ)”といって、一の曜日という意味になります。日曜日は“jumapili(ジュマピリ)”二の曜日・・・と続きます。金曜日が最後なんですね。不思議に思いませんか? きちんと理由を調べたことがないのよくわかりませんが、イスラム教の考え・・・とかなんとか・・・気になる人は調べてみてください。

ついでに、もう一つスワヒリ語では時間の表現も日本とは違っています。我々が言うところの7時をスワヒリ語では“saa moja(サア モジャ)”1時といいます。なので8時は”saa mbili(サアムビリ)”2時・・・と続きます。もちろん9時ならば時計の針は短針が9、長針が12を指していて、スワヒリ語では”saa tatu(サア タトゥ)”3時です。でも英語で会話するときは、普段、我々が使う時間と同じ言い方をするので、普段から使っているタンザニア人でさえも混乱することがあります。コロナが収まってタンザニアへ行く際には十分注意してくださいね。なぜ、こういう時間の言い方をするのかということですが・・・これも調べていないので詳しいことはわかりませんが、私の経験からすると、日の出は一年を通して大体6時・・・そこから1時間、2時間・・・なのか、それともイスラム教の影響なのか・・・。

それで、何が言いたいのかって? そうなんです。世界は広いということ、今それぞれが考えている当たり前や常識は、あなたとその周辺の限られた人にとっての常識であって、全ての人に対する当たり前や常識ではないということ。ずーっと家にいるとその傾向は強くなってしまいます。私も在宅勤務、大学に来ても基本的に教員室に閉じこもっていて、学生の皆さんはもちろんのこと先生方を含めて人とのコミュニケーションが各段に少なくなっているので気をつけないとけないと書きながら感じています。先日、本学科のk先生が7月以降の授業の在り方について、学生さんにアンケート調査を行った結果を配信してくださいました。それを見ていて、個人的に考えていたこと「オンデマンドよりリアルタイムの方が良いのではないか」も通信環境によっては、ほとんど見えない、聞こえないこともあるので必ずしもそうではないということ。家庭の事情によっては、通学できるならば通学した方が良いとも限らないこと。とか、挙げればきりがないほどに色々な状況や考えがあることを再認識しました。

今後の授業をどのようにしていくのがベターなのか・・・考えないといけないなと、私だけではなく学科の先生方皆さんが考えていらっしゃるところだと思います。

2.ちょっと余談 『人は無意識に「相手の脳」を見ている』
『「脳にいいこと」だけをやりなさい!』(マーシー・シャイモフ著 茂木健一郎訳 三笠書房 2008年)

この本、前にも一度紹介しているのですが、又別の部分を紹介したくなってしまいました。ということでオリジナルのTEMBEA PolePoleでも2回登場しているので、初志貫徹ということで飛ばさずに掲載します。皆さんもぜひ読んで、考えて、自分自身を見直してみてください。


~ 本から抜粋~

私たちの脳は他人を意識するように出来ている、ということが、ここ最近の脳神経科学の研究でわかってきました。すれ違いざまにちょっと頭を下げただけの人に対しても、脳は”神経の橋”をつくってしまうのです。

この”神経の橋”とは、誰かと話していて、気づかないうちに相手の表情やしぐさや口調をまねてしまうことです。目の前でアクビをされたら自分も-眠くもないのに-アクビが出てきたことはありませんか。
これは私たちの脳の「ミラー・ニューロン(鏡の神経)」と呼ばれる神経のせい。誰かの行動を、あたかも自分の行動のように映し出すのです。

しかも、驚くべきことにこのミラー・ニューロンは、感情をも映してしまうのです。

虫の居所の悪い人が入ってくると、部屋にいる全ての人がそれを感じとってしまう、あるいは、感極まって涙を流す人を見ると、こちらまで胸が一杯になるといったことも、ミラー・ニューロンの仕業です。「他人との関係が上手く築けない自閉症の原因は、ミラー・ニューロンに損傷があるためだ」と言っている研究者もいます。

心理学者ダニエル・ゴールマンによれば「感情は風邪のように広まっていく」といいます。

しかも、「感情的なつながりが長く深い間柄ほど、その感染力も強くなる」ということなので、ポジティブな感情ならいいものの、怒りや憎しみを拾ってしまっては大変です。

私の場合は、一緒に住んでいる夫からいつも喜びの感情をもらっています。彼は気がつくといつでも歌を口ずさんでいますが、ほとんど一日中歌いっぱなしの彼のそばにいると、私までなぜだか幸せな気持ちになれるのです。あなたのそばにいる人は、あなたにポジティブな気持ちを分けてくれますか。

~途中省略~

脳は「相手の感情」を拾いやすい

どんな人と一緒に時間を過ごすかは、人生を大きく左右します。だからこそ慎重に相手を選びたいものですが、すべての人があなたを幸せにしてくれるわけではないのでやっかいなのです。

それまでウキウキしていたのに、「たまたまある人と会ったためにすっかり気分が悪くなった」という経験はないでしょうか。これは先に述べたように、ミラー・ニューロンが働いて悪い感情に感染してしまった例です。悪い感情を拾ってしまわないための手っ取り早い方法は、「幸福感を吸いとってしまうような人とはつき合わない」ことです。

ここで「どんな人とも、平等にうまくやっていくことができない」自分に、罪悪感を感じる必要はないのです。

避けるべきはだいたい次のような人々でしょう。

不平を言う人、希望を削ぐ人、相手をへこませる人、そしてこれは見極めるのはなかなか難しいのですが、自分の考えに夢中な人、臆病な人、批判的な人、そしてできれば策略家も避けたほうがいいでしょう。たとえ彼らに悪気がないとしても、そういう人たちと接すれば、きっと気分が重くなったり、イライラしたりします。
できるだけ楽しい気持ちを分けてくれる人に囲まれて暮らしましょう。

悪影響を持った人を避けるには、「心のGPS」を使ってください。目を閉じて深呼吸し、周りにいる人々を一人ひとり思い浮かべてください。

あなたのエネルギーを拡大させる人は誰でしょうか。逆に縮小させる人は誰でしょうか。

避けるべき人が職場の同僚や親戚である場合、その人を完全にシャットアウトすることは出来ないかもしれません。そんなときには一定の境界線を引き、「そんな話をするあなたとは、深いおつき合いは遠慮します」という意思表示に出ていいのです。

次の方法で、ネガティブな感情の感染を予防することができます。

(1) 相手と正反対の態度をとる
ミラー・ニューロンをうまく使いましょう。怒っている人や虫の居所の悪い人と話さなければならないときは、意識的に視線を柔らかくし、口調を穏やかにして、悪い感情の連鎖を止めるのです。くれぐれもこちらも反応して、相手の感情を映し出してしまわないようにしましょう。

(2) 見えない壁があると想像する
その場から立ち去ることができないのに、悪い感情をまともにぶつけられたなら、相手との間に見えない壁があると想像してみます。この壁が心の緩衝材となって、仕返しをしたくなる気持ちが和らぐでしょう。

(3) 相手を変えようとか正そうなどと思わないこと
どんな接し方をされようと、その悪い点を指摘して、相手を変えようなどと思ってはいけません。人を変えたいと思うなら、何も言わずに自分が手本を示すのがもっとも効果的なのですから。


と・・・。どう感じますか?

日々の自分を振り返ってみて、参考になるなーなんて余裕をかましていませんか?感じてほしいのはそっちではありませんよ。自分がどっちの人間になっているのか冷静に考えてみてください。著者の旦那さんのように周りに喜びの感情、幸せの気持ちを振りまいているのか、それとも、悪い感情をふりまいているのか。そして、ネガティブな感情の感染を防ぐための行動を周りの人にとらせていないかよーっく考えてみてください。「心のGPS」へ電波は入ってきているでしょうか?自分は周りの人のエネルギーを拡大させられているでしょうか?縮小させてはいないでしょうか?

私自身も『自分と関わってくれる方々のエネルギーを拡大させられたらいいなー』と思って日々行動していますが、なかなか難しいですよね。意図してか、意図せずしてかはわかりませんが、自分のイライラや不満を周囲の人や物へぶつけたり、自分中心の考え方で行動したりしているのを目にするととても気持ちが落ち込んでしまいます。なんで、そんなふうにするんだろう・・・?それで問題は解決しないのにね。嫌な気持ちが周囲に広がって物事は良くない方へと加速していってしまうんじゃないかと思います。

この記事を読んで何かを感じた皆さんは、毎日良いこと、楽しいことばかりじゃないと思いますが、是非、周囲にポジティブな気持ちを届けられるように、少なくともネガティブな感情を皆にぶちまけてシャットアウトされてしまわないようにお互い行動していきましょう。

だからといって、愚痴を言うなということではないんですよ。時に愚痴を言うことも必要だと思います。それは、まあ、話しやすい人に落ち着いて話をしてください。それで、すっきりするでしょ? そうしたら、また前向きに歩き始めてください。そんな、話ができて前向きにしてくれる仲間を大切にしてくださいね。あんまり自分勝手にしているとそんな大切な仲間達も離れていってしまいますよ。

編集後記

今号は少し長めになってしまいましたが、最後まで読んでくれた皆さんありがとうございます。ミラーニューロンのお話、ポジティブな感情の伝播の実践は対面授業が始まってからになりますが、意識して取り組んでいきたいですね。

 
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